臍下丹田

臍下丹田の位置は、臍の下三寸と言われています。しかしこの言葉の持つ意味を勘違いしてしまうと、丹田の開発は永久に困難になるように思えます。


その勘違いの一つが丹田=重さです。丹田を重さと捉えてしまうと、そこに力を込めたり、重心を下腹部に集めようとする考えにいたります。

そしてその結果、重力に従うような動きを重視してしまうかもしれません。そのような発想で行う武道もあるかとは思いますが、心勢会では、臍下丹田はコマのしんのようなものであり、そこから宇宙に広がっていく回転エネルギーであり、宮澤賢治風に言えば重力からの解放であり、ルドルフシュタイナー 的に言えばエーテル力になります。

臍下丹田は重さがかかる、重さや力が集まるブラックホール的な場所ではなく、そこからエネルギーが螺旋に広がっていく中心点になります。

そのエネルギーの広がりを阻害しないためには、身体がリラックスしていなければなりません。

特に鳩尾が固くそこに力がこもってしまうと、臍下丹田からのエネルギーはそこでとまってしまいます。

鳩尾という上半身へエネルギーを解放する扉は常に開いておかなければなりません。

また、臍下丹田からのエネルギーが全身に広がるためには、コマのしんが、ぶれないような立ち方が必要になります。そのために姿勢が重要視されるのです。

臍下丹田を生み出すために姿勢があるのではありません。

姿勢の保持は、臍下丹田からのエネルギーが消えないようにするためにあります。

再度繰り返しますが、姿勢が臍下丹田というエネルギーを生み出すのではないのです。

臍下丹田は、「型」という独特な形状と動きによってはじめて生み出すことができるものなのです。