サンチンに限らず、型をするときは足幅がとても大事になります。足幅はすべて厳密に決められています。脛の長さに拳一つ。その足幅は肩幅よりも広くなります。このことの意味はとても深く、この足幅を守ることによってはじめて型が内形になっていきます。もしこの足幅をまもらなければ、たとえ何年あるいは何十年型稽古をやったとしても、そこには何の変化も生まれません。
もしあなたが自分でいろいろ工夫したり、考えたりすることが好きな人であるならば、型稽古をするときは、その心を最小限に抑えるようにする方がいいでしょう。型のエッセンスはどんなに頭で考えても答えはでないからです。素直に伝わってきたものを素直に受け止めること、つまり伝統文化に対する謙虚な心をもつことによってはじめて型稽古への最初の扉が開きます。
答えは身体からのフィードバックによってはじめてわかります。身体に型が受肉した時にその答えはおのずと出てきます。